ドイツでの出産1

40代前半で初めて妊娠・出産した
自分の人生のタイミングとしては自然なことだったから、高齢出産とかそういう意識はあまりなかった。でも、とても幸運なことに、妊娠中も出産も順調だった。
一度、年齢が年齢だから、出産前診断をうけておけば?羊水検査なら、あなたの年齢なら無料だし、簡単だから、と婦人科の先生に促されて、そんなもんか、と即予約。でも、予約してからいろいろと考え始めてしまった。日本では道徳的な意味での議論が多いようだけれど、そこはひとまずおいておいて、自分にこの検査は必要だろうか、ということを。具体的には、もしも検査の結果、この子に染色体や遺伝子異常が見つかった時、私はおろす、という選択をする気でいるのかどうか、ということ。最終的には、この子に異常が見つかることの確率と、40代前半で妊娠する確率のどっちが高いか、ということを考えたとき、妊娠したという事実のほうが尊いんじゃないか、と思えたことと、もうこの子は私の子だ、という気持ちが勝ったことで、結論が出て、予約はキャンセルした。この時、こうやって妊娠中にいろんなことを覚悟していくこと、これが母になるってことなんだなって思った。子どもができたら自動的に勝手に母になるのではなく、こうやって少しづつ母になっていくんだな、と思った。
ドイツは妊婦にもやさしい。日本のように、電車でおなかをさすっていて、「自慢か?」と陰口をたたかれることもない(そういう話、ほんとにあったよね。)。みんな当たり前のように席を譲ってくれ、スーパーではレジに並んでいると、前のほうの人が手招きをして前に入れてくれることもある。もちろん、それに対して文句を言う人は誰もいない。日本は、知り合いや友だち、親戚などには気を使うが、赤の他人にはすごく冷たいところがあると思うが、その点、ドイツは赤の他人にとても親切だ。

さて、出産当日。
ここ最近、ドイツは出産ブームである。とにかく子どもが多い。婦人科も妊婦さんでいっぱい。妊娠が発覚して近所の婦人科に予約を取りに行ったら、新規は受け付けていないと断れたこともあるくらいである。
私の陣痛が始まって、産科に駆け込んだ時も、もちろん、事前にいろんな検査に通い、そこで産む予定になっていたにも関わらず、今日はいっぱいだから、と救急車で別の産科に運ばれた。そこでは、陣痛は始まっているけど、まだまだ時間がかかりそうだから、無痛分娩にして、時期が来るのを寝て待てばいいわ、と言われ、はいはい、お願いします、と即答。
無痛分娩に同意する書類には事前にサインをしてあった。とはいえ、当初はそれを使うことになるとは思っていなかった。しかし実際に陣痛が始まると、しんどくてしんどくて、早くこの不快な状態から解放されたい、と思った。切り傷や打ち身、腹痛などの痛みとはまた違う、なんともいえない苦しさだった。
腰に注射をうたれてからは、すぅーっと痛みが消え、本当に2時間ぐっすりと寝ることができた
2時間後、痛みのないまま、そろそろよ、と言われ、平常心で出産に臨んだ。痛みがない分、いきんで!と言われても実感がわかないし、自分がちゃんと力をこめられているのかどうかもわからず、とまどった。出産の真似事をしているようだった。最終的にはおなかをぐぅっと押されて、ようやく出産に至った。他人の力を借りまくりの出産。まあ、それもよいだろう

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