ドイツ失業保険2

私の8日間のコーチングの内訳は、
①導入・全体説明:1日
②新たな視野を持つ:4日
③仕事の探し方:2日
④履歴書の書き方:1日 
だった。

①は、20名くらいに対して全体説明があったあと、個人的に面談をし、うけるコースの確認をする。この全体説明は全員がうけるが、その他のコースは全部で10種類あり、誰がどこをうけるかはそれぞれのようだった。実際、私がうけた4つのコースすべて最後まで一緒だったのは一人だけだった。
②は、グループワークだった。私が参加した回の参加者は4名。かなりこじんまりとしたチームでやりやすかった。全員が自分の学歴や職歴、失業に至るまでの個人的な経緯をプレゼンする。それをうけてほかの参加者がこんな仕事はどうだ、あんな可能性はどうだ、と意見を出しあうのだ。正直、赤の他人の前で、自分の個人的な話をするのは嫌な気がした。それに、何十年もの歴史を5分でプレゼンしたところで、私のことを全く知らない他人が、目からうろこが落ちるようなアイディアをだしてくれるとは思えなかった。実際に、出てきたアイディアは、私が一度は考えたことのあるものでしかなかった。それでも、久しぶりにドイツ語で、学校の授業のようなものを受けて楽しめた部分もあった。
ほかの参加者の話は興味深かった。30代半ばのクロアチア出身の女性は、7-8年前におばを頼って単身でベルリンにやってきて、語学コースで知り合った友だちからの紹介でホテルの清掃の仕事をしていたとか。最初は時給での支払いという話だったのに、実際にはこなした部屋数での支払いで、一部屋4ユーロ以下、しかも2人でチームでやるから、一部屋当たりの一人の取り分は2ユーロ以下だったと。これが3つ星のホテルだったというから驚きだ。体調を崩して仕事をやめ、失業したということだった。数年前に子どもと夫を呼び寄せたが、夫は彼女よりもドイツ語ができないため、様々な役所からの手紙やら事務処理などをすべて彼女がしなければならず、負担が大きい。それでも、子どもはドイツになじんているし、将来のことを考えても、しばらくはドイツにとどまるつもりらしい。
もう一人の40代のドイツ人男性は、スーパーの入り口前に立つセキュリティーの仕事をしたり、肉体労働をしてきたが、常に自分の人脈で仕事を探してきたという。肉体労働をする中で何度も足を骨折するなどのけがをしたが、病院嫌い、今のソーシャルメディアが嫌い、事務処理の一切が嫌い、ということで、だれにも頼らず自力で治してきたという。が、6度目のけがでいよいよ足腰が使い物にならなくなり、重い荷物を運んだり、立ち仕事は無理、となって、公的機関・連邦雇用エージェンシーを頼る気になったとか。その彼に対して、機械工などの職業訓練を受けたら、というアイディアが出た。すると彼は、そんなことはいままで思いもしなかった、それだったら自分もできるかもしれない、と嬉しそうに語っていた。この時、私はドイツの教育格差を感じた。普通に考えたら、そのくらいのアイディアは自分でも思いつきそうなものだ。しかし、彼は自分の狭い世界だけにいて、ほかの可能性に気づくことがなかった。なるほど、ドイツにはまだまだそういう層がいる、だから、こういったコーチングが意味があるのか、と思った。
③は連邦雇用エージェンシーのサイトの使い方がメインだった。これは大したことなく、淡々と受けた。受講者は私を含めて2名だけだった。
④は、履歴書と添え状の書き方の指導で、10人ほどいた受講者はほぼ全員、事前に応募する先を見つけていて、そこにあてた手紙を作成していた。私は応募先が見つかってなかったから、仕方がなく、時間がくるまで2時間ほど、応募先をネットで探し続けた。これは本当に不毛な時間だった。応募先なんて一日で見つかるものではない。毎日、探し続けて見つかるかどうか、だ。しかも、応募先がある人は、書類の添削をしてもらえていいが、応募先がないと添え状なんて書けやしない。確かに履歴書をきれいに書き換えられたことはよかったが、それはドイツ人の夫に見てもらってもできたことだろうし、果たして私がこのコースに参加する意味があったのかどうか、、、。

いずれにしても8日間のコースを終え、ほっとした。ちょっとうれしかったのは、私はそこに徒歩で通っていたのだが、受講者には一律で交通費が支払われたことだ。ちょっとしたご褒美をもらった感覚
しかし、ドイツは本当に懇切丁寧だと思う。これらのコーチングも自腹で通う人もいるみたいだし、それを国が負担して受けさせてくれるのだから、太っ腹だ。もちろん、失業保険や生活保護を付与しつづけるよりも、仕事に就いてもらって税金を払ってもらったほうがいいのだろうけれど。日本はどうなのかしら。


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